【動画】建物が子供名義だと小規模宅地等の特例が使えない?

鎌田相続税理士事務所|立川相続行政書士事務所

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【動画】建物が子供名義だと小規模宅地等の特例が使えない?

 

相談者

 

私が所有している土地で貸駐車場を経営しているんですが、私の子供が相続するとき相続税を節税することはできますかねえ。

税理士

 

貸駐車場は小規模宅地等の特例を適用することにより、200uを限度として50%評価減をすることができるかもしれません。

相談者

 

それはいいですね!私の貸駐車場も小規模宅地等の特例を使えるんですか?

税理士

 

まず、貸駐車場が構築物の敷地の用に供されている宅地である必要がありますが、アスファルト舗装はされていますか?

相談者

 

いいえ。砂利敷きです。

税理士

 

砂利敷きの場合は、砂利が埋まって地面が露出しないよう、きちんと敷地全体に砂利が敷かれている状態を維持するようにしないと、構築物として認められない可能性があります。
また、所得税確定申告書の償却資産や相続税申告書の財産明細に、砂利敷きを構築物として記載するのを忘れないように気をつけてください。

相談者

 

確かに砂利敷きは構築物というイメージが薄いから記載を忘れてしまいそうですね!あと、コインパーキング運営会社から一括借り上げの提案を受けているんですが、その場合も小規模宅地等の特例は使えますか?

税理士

 

一括借り上げだと、土地を運営会社に貸すだけで、アスファルト舗装やロック板などの構築物は運営会社が所有することになりますね。

相談者

 

被相続人以外の会社が構築物を所有する場合は小規模宅地等の特例が使えないんですか?

税理士

 

いいえ。「貸付事業用」については、その建物や構築物の所有者が誰なのかについての直接的な要件は無いんです。

相談者

 

じゃあ、一括借り上げで運営会社が構築物を所有している場合でも、小規模宅地等の特例は適用できるということですね。

税理士

 

そのとおりです。

相談者

 

でも、友達の話ですが、亡くなったお父さんの土地の上に子供がアパートを建ててたら小規模宅地等の特例を使えなかった、と嘆いていたんで、土地と建物や構築物の所有者が違うと、特例が適用できないのかと思っていたんですが、実際のところはどうなんですか?

税理士

 

小規模宅地等の特例を適用するには、貸付事業を亡くなったお父さんから子供が引き継ぐ必要があります。
もし別生計の子供がお父さんに相当の地代を払う、いわゆる「賃貸借」ではなくて「使用貸借」という状態であったとすると、お父さんはそもそも貸付事業を行っていなかったことになり、子供が貸付事業を引き継ぐことはできません。

相談者

 

でも「使用貸借」ではなく、地代は毎月ちゃんとお父さんに払っていたみたいですよ?

税理士

 

たとえ、「賃貸借」だったとしても、建物を所有している子供が土地を相続すると、賃貸人と賃借人が同一となる、いわゆる「混同」という事象が生じてしまい、貸付事業を引き継ぐことはできなくなってしまいますよね。

相談者

 

なるほど。そういうことですね。

税理士

 

あとは逆に、土地が「使用貸借」で、さらに子供がお父さんと生計をいつにしていたのであれば、同一生計親族の「貸付事業用」として小規模宅地等の特例を適用できたんですが。

相談者

 

そうなんですね。同一生計親族でも、土地が「賃貸借」だとやはり先ほどのように「混同」になってしまうんですよね?

税理士

 

そのとおりです!「貸付事業用」の場合は、建物等の所有者の直接的な要件は無いのですが、「混同」により事業継続要件を満たすことができなくなるケースがあるので、その点では、建物の所有者が誰であれば特例を適用できるのかを検討しておく必要がありますね。

相談者

 

逆に「貸付事業用」以外の場合は、建物の所有者についての要件があるということでしょうか?

税理士

 

そのとおりです!「特定居住用」や「特定事業用」の場合には、被相続人かその親族が建物を所有している必要があって、親族が建物を所有している場合には、その敷地を被相続人から「使用貸借」によって借りている必要があります。
そしてさらに、敷地の上の建物を被相続人または被相続人の同一生計親族に「使用貸借」で貸し付ける必要があります。

相談者

 

安易に「賃貸借」にしない方が良いですね!

税理士

 

確かに「賃貸借」にすることにより、減額率80%の「特定居住用」や「特定事業用」の要件を満たせず、減額率50%の「貸付事業用」としての小規模宅地等の特例の適用となってしまったり、別生計親族が建物を所有している場合には特例そのものを適用できなくなってしまいますからね。

相談者

 

「特定事業用」は限度面積も400uと大きくて、「特定居住用」や「貸付事業用」とは別枠で併用できるから、「賃貸借」か「使用貸借」かで明暗が別れそうですね!

税理士

 

よくご存知ですね!

相談者

 

でも、私や子供が新しく建物を建てるのも大変そうだから、あまり関係の無い話かなぁ。

税理士

 

まあ、建物を建てずに構築物のみの設置で、ほぼ無人で始められて、しかも貸付事業に該当しない事業として、コイン洗車場や太陽光発電なども一応ありますけどね。

相談者

 

それなら私たちにもできるかもしれませんね!

税理士

 

しかし、「特定事業用」としての小規模宅地等の特例の適用には、一定の規模以上で経営する必要がありますが。

相談者

 

まあ、そう簡単に適用できるほど甘くはありませんよね。でも、コインパーキングだけではなく他の選択肢も考えてみようと思います。

税理士

 

それは良いことですね!

 

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