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証券会社の顧客勘定元帳の見方

相続税申告のための確認事項

 銀行の預金口座からの多額の出金について生前贈与やタンス預金になっていないかを調べるために、過去の預金通帳を確認したり、過去の預金通帳が見つからない場合には銀行に入出金表の発行を依頼して確認します。
 証券会社の口座についても同様のことを確認する必要がありますが、証券会社口座の場合には通帳が無いため、証券会社に顧客勘定元帳(顧客口座元帳)の発行を依頼する必要があります。

顧客勘定元帳(顧客口座元帳)の見方

証券会社口座の顧客勘定元帳(顧客口座元帳)は銀行の入出金表と同じ役割を果たしますが、銀行の入出金表とは異なり、見慣れていない人からすると全く解読不能なもののようです。
 ここでは、証券会社口座の顧客勘定元帳の基本的な見方を簡単に説明いたします。顧客勘定元帳の様式は証券会社によってそれぞれかなり異なりますが、ここで基本的な見方を身に着けていただければ、あとは、それぞれの証券会社の注書きを読めば解読することが可能になるはずです。
 まず、SBI証券のホームページで公開されている顧客勘定元帳のサンプルPDFを無断転載させていただき、それに見方の説明を赤字で入れさせていただきました。

 


 例えば、相続税申告のための確認としては、どの株式が売買されたかよりも、証券口座へのATMや振込みによる入金や証券口座からの出金の方が気になります。
 そのような場合には、銘柄名が空欄になっている行を確認します。銘柄名が空欄になっている行は証券口座の入出金を表すことが多いので、銀行の通帳と突き合わせることによって、単なる資金移動なのか、生前贈与やタンス預金が疑われるものなのかを検討することができます。

 

MRFの場合

 多くの証券会社では、証券口座に入金すると自動的にMRFの買付けに充当されています。
 そのような場合、残高の列の表示が大きく分けて次の2パターンになります。

  1. 預け金が存在することが無いため残高の列がずっとゼロのまま。
  2. 口座入金したときに入金額が一瞬残高となり、次の行でMRF買付けとなり残高がゼロとなる。

    口座から出金する前の行でMRF売却となり出金額が一瞬残高となり、出金の行で残高がゼロとなる。
    株式等の買付け、売却のときも同様に1行だけ取引額が一瞬残高となり、次の行で残高がゼロとなる。

まとめ

 以上の要点を押さえたうえで顧客勘定元帳を解読すると、相続税申告のための確認もスムーズに進めることができるはずです。
 くれぐれも「よくわからないけどとりあえず大丈夫だろう。」と、内容を確認せずにスルーするのはやめましょう。

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