

こんにちは。東京都日野市、高幡不動尊のほど近くで「鎌田相続税理士事務所」を営んでおります、税理士の鎌田健吾です。
事務所の窓からは五重塔が見え、四季折々の風景に心が洗われます。日野市や立川市を中心に、相続でお困りの方々の「じっくり話を聴く」ことを大切に、日々活動しています。
さて、今日お話しするのは「企業年金と相続税」についてです。
「亡くなった父が会社から受け取っていた年金を、遺族である私が引き継ぐことになった。これには500万円×法定相続人数の非課税枠が使えるの?」というご相談をよくいただきます。
結論から申し上げますと、「その年金がいつ決まったか(発生したか)」によって、税金が安くなるかどうかがガラリと変わります。
相続税法には、遺族の生活を守るために「退職金(退職手当金等)」については一定額まで税金をかけないという優遇措置があります(法12条1項6号)。
しかし、企業年金がすべてこの「退職金」として認められるわけではありません。ここで重要になるのが、相続税法第3条第1項の「第2号」と「第6号」の区分です。
被相続人の死亡によって初めて支給が決まった年金形式の退職金です。
これは「死亡退職金」の性質が強いため、非課税枠が適用されます。
【なぜこう読み取れるのか?】
条文にある「死亡により支給を受ける」という言葉は、死亡という出来事が権利を新しく作り出したことを意味しています(創設的給付)。亡くなったことで初めて発生したお金だからこそ、国は「遺族の生活のために使いなさい」と非課税の特典を与えているのです。
【重要】退職後、年金をもらう前に亡くなった場合は?
「父は数年前に退職していたが、年金の受給が始まる前に亡くなってしまった」というケースはどうなるでしょうか。
この場合、遺族が受け取る給付金は、基本的に非課税枠が使える「退職手当金等(2号)」に該当します。
【解釈の根拠】
退職から年月が経っていたとしても、受給が始まっていない(待機中)であれば、本人にはまだ具体的な受給権が確定していません。遺族が受け取るお金は、あくまで「死亡したこと」を直接の理由として、年金規程に基づき新しく支給が決まるものだからです。
法的には、生前からの権利を引き継ぐ(6号)のではなく、死亡によって新たに支給が確定する(2号)と判断されるため、非課税枠の適用が可能となります。
被相続人が生前から既に受給していた年金を、遺族が引き継いで受け取る場合です。
これは「既にあった権利の承継」とみなされ、残念ながら非課税枠は使えず、全額が課税対象となります。
【なぜこう読み取れるのか?】
こちらのケースは、被相続人が生前に持っていた「年金をもらう権利」というバトンを、死亡をきっかけに遺族が受け取った(取得した)に過ぎません(承継的取得)。新しく生まれたものではなく、元々あった財産が動いただけなので、他の預貯金などと同じように「通常の課税対象」として扱われます。
実務で私たちが判断の根拠にするのが、冒頭でも触れた「基本通達」です。
これは、亡くなったことで会社から「退職金として、これから年金を払います」と言われたケースです。
これは、本人が生前に年金を受け取っており、その「残り期間」を遺族がもらうケースです。
なぜ、ここまで細かく区別するのでしょうか。それは、「税務調査」での指摘を未然に防ぐためです。
私たち鎌田相続税理士事務所では、日野市や立川市の現地調査はもちろん、申告書の作成において「税理士法第33条の2の書面」を添付することを標準としています。これは、税理士が「この財産はこう判断しました」という根拠をあらかじめ税務署に説明する書類です。
企業年金の場合、会社の「年金規程」を丁寧にお預かりし、
を厳密に精査します。この一歩踏み込んだ確認があるからこそ、お客様は安心してお休みいただけるのだと考えています。
企業年金の手続き書類は複雑で、「結局、うちはどっちなの?」と不安になるのは当然です。
もし、お手元に会社からの通知書や規程の写しがあれば、ぜひ一度お持ちください。高幡不動駅すぐ、1階の路面店ですので、お散歩ついでにお立ち寄りいただけます。
「一度相談してみよう」
その一歩が、相続の不安を安心に変える第一歩になります。私、鎌田健吾が皆様のお話をじっくり伺い、最善の道をご提案いたします。
電話 042-525-0588
水曜日は電話代行を利用しております。営業電話は固くお断りします。