「競業避止義務」とは?

Q: ソフトウェア開発企業で人事を担当しています。設立から数年、少人数で仲良くやっているのですが、この度、残念ながら営業担当の社員が退職することになりました。退職の手続きを進めるにあたり、社長から「競業避止の誓約書を取っておいて」と言われました。しかし、退職以降もずっと同業他社で働かないように誓約させるのは無理があるように思います。退職予定の社員にも難色を示されました。どうすればよいでしょうか。

A: 競業避止義務とは、在職中にその会社と競業する業務を行ってはならないという義務で、労働契約における信義誠実の原則に基づくものです。よって、本来は退職後には生じない義務ですが、退職者が会社独自のノウハウや機密事項、顧客情報を競合他社に持ち込むことは会社にとって大きなリスクです。その反面、退職者の転職や再就職に不自由を科すことは、職業選択の自由を不当に制限することにもなりかねません。退職後に競業避止義務を負ってもらう場合は、その必要性や合理的な理由、避止の対象となる業務の範囲、制限の対象とする期間や地域などを具体的に明示し、本人の理解と合意を得た上で誓約書を取り交わすのがよいでしょう。

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