なぜMVNOが格安なのか?

3大キャリアに卸売業者は不要

スマホデータ通信をMVNO(格安SIM)に乗り換えたことを先日お話ししました。

MVNOは無線回線設備を持っていません。

3大キャリアと言われるdocomo、au、Softbankから無線回線設備を利用する権利を買って、自社ブランドとしてユーザーに安く転売しているのです。MVNOはいわば卸売業者のような形です。

  • 3大キャリア  ⇒  ユーザー
  • 3大キャリア⇒MVNO⇒ユーザー

通常であれば、卸売業者が入ればユーザーに転売される価格はマージン込みの価格になるため直売価格よりも高くなるか、同程度の価格にしかなりません。ましてや、携帯電話会社はある程度全国で店舗を展開し、自社でユーザーに直接サービスを提供する能力があるため、卸売業者に利益を取らせる必要はありません。つまり、3大キャリアがアウトレットのようなものをMVNOに格安で元売りしない限りは、格安料金でスマホを使えることは、通常の市場原理ではあり得ないわけです。


なぜMVNOが格安なのか?

ところが、なぜMVNOが格安料金で成り立つのか?裏がありそうで、品質面が心配になりますよね?

もともと、3大キャリアは総務省から周波数を割り当てられており、割り当てられた周波数の販売を3大キャリアに寡占されている状況です。そのため、3大キャリアの料金体系はほぼ横並びとなっており、ユーザーのニーズに応えていないという状況がありました。

この寡占状況を解決するため、総務省がMVNOを支援する方針を打ち出しました。

そのような経緯もあり、3大キャリアの中でも最もビジネスライクなSoftbankはMVNOとの提携に最も消極的ですね。ユーザーのニーズに応えるためにiPhoneなど新しいものを導入してきたSoftbankですが、やはり、行政主導の施策のせいで自分の利益を取られるのは気にいらないようです。他に格安で卸売りするくらいなら、Y!mobileで格安で直販したいというのが本音なのでしょう。Y!mobileも格安SIMと比べると高いですが。株主が利益にシビアなため仕方がない面もあります。


日本の携帯電話料金は高くないのか?

日本の携帯電話料金は高くないと孫正義社長はおっしゃいましたが、それは、日本では周波数オークションが無いからだと思います。日本でも、周波数オークションが実施されれば、携帯電話料金はもっと高くなる代わりに、割り当て代金が国の収入となり、税金負担が減ることになります。だから、日本の携帯電話料金は、周波数オークションが無い分、もっと安くなるべきなのです。

しかし、総務省がSoftbankに対して、MVNO業者である日本通信との協議再開命令の方向に動くと、Softbankも日本通信との協議に合意しました。

このように、携帯電話市場の市場原理が正常に機能するように、総務省は、MVNOが3大キャリアと公平に協議ができるように後押ししているため、3大キャリアは、不本意ながらもMVNOに安く、無線回線設備を利用する権利を販売しなければならなくなってしまっているのです。

したがって、MVNOが格安で通信サービスをユーザーに提供できるのは、決して品質が悪いからではなく、寡占状態によって高くなってしまっている通信料金を正常にするために、MVNOが3大キャリアとの交渉で不利にならないように、行政機関が指導監督を行っているからなのです。

総務省を信じて、安心してMVNOを利用しましょう。

2年縛りがまだ残っているユーザーが2台持ちで得する方法

携帯電話代が高い!

スマホの携帯電話料金が高くてお困りの方も多いと思います。

私も今まで、SoftbankのiPhone5cを使ってきましたが、料金月額は、

  1. ホワイトプラン     934円
  2. パケットし放題フラット 5,700
  3. ウェブ使用料(i)    300円
  4. テザリングオプション  500
  5. Softbank以外に発信するときの楽天でんわ代 30秒10円

合計 7,434円(税抜)+楽天でんわ通話料(月々3,000円くらい)でした。

MVNO(格安SIM)が安いということは、よくネットで宣伝されていましたが、2年縛りもまだ残っているため、あまりよく考えていませんでした。周りにも利用している人がいませんでしたので。

しかし、妻のdocomoの携帯電話の2年縛りが今月から2カ月更新期間となるということで、考える機会ができ、MVNOを使ってみることにしました。

 


MVNOが向いている人は?

MVNOが向いている人をまとめると、

  1. 機種変更後2年超の携帯電話を持っていて、月々割等の割引が終わってしまっている人
  2. 自宅に固定のWi-Fi環境が整備されている人
    • 自宅でWi-Fiを使っていれば、月7GBも使わないですね。私は2GB程度です。
  3. 通勤時間が短い人
    • 通勤時間の暇つぶしでネットサーフィンすると大量にデータ量を消費します。最近では満員電車で文庫本なんかを読んでいると、白い目で見られるようになってしまいました。
  4. キャリアメール(docomo.ne.jp等)が不要な人
    1. キャリアメールが無いと使えないサービス(タイムズカープラス等)もありましたが、今ではほとんどなくなっています。
    2. 友達でガラケーの人がいる場合は、キャリアメールじゃないと迷惑メールとみなされて受信できないなんて人もいましたが、スマホ全盛の最近はそれをやると連絡に支障をきたすため、無条件に迷惑メールにならないようにしているハズ(?)です。(私の場合は、Gmailで複数のアドレスを一括で管理しているのですが、キャリアメールはPOP3に対応していないため、キャリアメールは放置されている状態でした。)
  5. 通話が頻繁であっても、通話時間が短い人
    • 5分以内かけ放題等は提供しているMVNOが多い。長電話かけ放題は大手キャリアの方が良い
  6. 仕事等で長電話をすることが多いが、スマホ+ガラケーの2台持ちが苦にならない人
    • データ通信専用スマホとかけ放題用ガラケーの2台持ちなら、3大キャリアの違約金も徴収されずお得に利用できます。
  7. 家族でスマホを利用する人
    • 3大キャリアでもデータ量を分け合えますが、家族それぞれがデータ定額プランに加入しなければならなかったり、子回線のオプション料金が500円かかったりします。通常は、データ量が増えるほど、データ量あたりの料金は逓減していくので、2契約分のデータ量を相互にやり取りするよりも、1契約分のデータ量を2つのSIMで分割できたほうが、安く済むわけです。IIJmioの場合は、1契約分のデータ定額料金で2つのSIMを持つことができるため、かなり割安になります。

の様なので、MVNOを利用することにしました。


IIJmioを選びました。

IIJmioは、MVNO参入が早く、企業相手の取引が多いため比較的信頼でき、SIMカード追加等の手続きはBICカメラが窓口になるため、実店舗がない他のMVNOよりも安心できるため選びました。

また、仕事に電話を使うため長電話かけ放題プランがあるMVNOも検討しましたが、もしもシークスデータ量の繰り越しができないのと、プラン変更の手数料が高いため対象外とし、NifmoTONEモバイルIP電話でのかけ放題で、IP電話の通話品質の低さに散々な目にあっていたので対象外としました。(freeeの営業さんと通話するとき、いつもIP電話からかけて来られるため、ブツブツ切れて聞き取れず、つい毎回「IP電話やめてくださいよ!」と言ってしまいます。今後は下記の通りかけ放題となったため、こちらからかけなおすようにします。)

さらに、Softbankの2年縛りも1年以上残ってしまっていたため、違約金を支払うよりはSoftbankの契約もガラケーに機種変更して、スマ放題で通話専用のガラケーとして契約を生かすことにしました。

IIJmioで使用するiPhoneは、docomoかauのiPhoneでないと使用できないので、もともと持っているSoftbankのiPhone5cは引退させ、SIMフリーiPhoneSEをAppleストアで購入することにしました。(SoftbankのiPhoneを利用できるMVNOも2017年3月に誕生するそうです。)

本当は、もともと持っているSoftbankのiPhone5cを通話専用にしたいところですが、SoftbankのiPhoneでは通話のみの契約ができません。docomoは通話のみの契約ができるらしいですが、docomoのiPhoneはMVNOで使用できるので、MVNOに流用したほうが賢明です。


月額料金はいくらになるのか?

データ通信用IIJmioとSoftbankガラケー(メールもネットも無し)の2台持ちの料金月額は、

  1. Softbank スマ放題(ガラケー用2年契約)        2,200円
  2. IIJmio データ通信専用SIMライトスタートプラン(6GB)  1,520円
  3. テザリング利用料                    無料
  4. SIMフリーiPhoneSE64GB(Appleストア)24回払い月額  2,037円

合計 5,757円(税抜)になりました。

得した額は、1,677円+楽天でんわ通話料(月々3,000円くらい)となります。

移行にかかった費用は、

  1. Softbankガラケー103P(新品同様品)購入代金 1,666円
  2. SoftbankSIM変更手数料          3,000円
  3. IIJデータ通信専用SIM購入代金        295円

合計 4,961円になりました。

103Pを選んだのは出回っているSoftbankガラケーの中で、一番出回っていて中古相場が安かったからです。

私もそうでしたが、SoftbankでiPhoneデビューするまではdocomoを使っていて、iPhoneデビューとともにSoftbankに乗り換えたという方が多いので、Softbankの中古ガラケーは供給量が少ないみたいです。周りの人たちが古いSoftbankガラケーを持っていて譲ってもらえれば良かったのですが、誰も持っていませんでした。

105SH202SH301Z等も多く出回っていますが、シンプルスタイル(プリペイド携帯)でも使用されている機種なので、もしシンプルスタイルとして登録された機種に当たってしまうと、シンプルスタイル以外の通常プランでは利用できないため回避しました。実際に、USIMを挿して利用できてもSoftbankショップで受け付けてくれないみたいです。(301Zを持っていったら、やはり受け付けてもらえませんでした。シンプルスタイル利用期間が終了してもやはりダメだそうです。)


家族で使うともっとお得?

IIJmioの場合、音声通話付きSIMをもう1枚追加してもプラス月700円で可能で、更に月830円追加すると、5分間通話し放題付きになり、現在6GBの通信量も分けあえるということで、2人でも毎月3GB使うか使わないかのため、妻のDoCoMoもIIJmioに移せば、

  • 月額830円+700円=1530円+α(5分超の通話分

のみで済むので、更に7,000円は節約出来る見通しです。

データ通信については、Softbankよりもむしろ速く感じられたくらいです。通話についても、おそらく楽天でんわと同様の品質であるとすれば、3大キャリアと同様だと思います。


注意点は?

注意点としては、

  1. パケット定額料金はどこのキャリアも月途中で解約しても月末までの料金をきちんと取られるのに対し、加入は日割り計算のため、MVNOが初月無料キャンペーンなどを行なっていなければ、月末に移行した方がお得です。
  2. あと、Softbankショップに行ってSoftbankのiPhoneSIMが使えなくなる前にLINEの機種変更処理をしないと、メッセージ履歴が全部消えるおそれがあるので注意して下さい。(私は間違えて焦りましたが、iCloudDriveにバックアップしたため助かりました。iCloudDriveのバックアップは次のiPhoneでLINEを導入する前に行わないと、LINE導入のときにiCloudDriveのバックアップを復元するかどうかの質問自体が出ないので注意が必要です。何れにしても、LINEの移行は方法を調べながら慎重に行なって下さい。)

といったところです。

経費節減の参考になればと思います。

スマホからガラケーに電話帳を移行するには?

やっぱり事業には固定電話があった方がよい?

個人事業や会社の設立にあたって、やはり固定電話はあった方が良いものだと思います。

固定電話を開通したものの、電話番をわざわざ雇う余裕もないため、出かけるときには携帯電話に転送しているが、着信のときに発信元の電話番号が表示されるが、初めから携帯にかかって来たのか、固定電話から転送されて来たのかが区別がつきませんよね?

電話に出るときに「はい、〇〇(名前)です。」と答えるか、「はい、〇〇株式会社です。」と答えるか、あるいは携帯電話にかかってきたなら出られずに留守番電話に転送されても不自然ではないが、固定電話の転送なら通常誰かが出るのが自然で、鳴りっぱなしや留守番電話に転送されるなどは不自然ですよね?

どうすれば区別がつくのか?

1つの携帯電話に2つの電話番号があれば、固定電話の転送先は2つ目の電話番号にしてしまえば良いのです。


2つ目の携帯電話番号を保持するには?

では、1つの携帯電話に2つ目の電話番号を付与するにはどうすれば良いのでしょうか?

スマートフォンなら050PlusなどのIP電話アプリをインストールしておき、固定電話の転送先をIP電話の050番号に設定しておけば、IP電話アプリの通知が鳴れば固定電話の転送だというのが一目瞭然にわかります。

しかし、IP電話には重大な問題点が、それは、音が悪すぎる、ブツブツ切れるといった通話品質の問題です。最近ではコストも安いため、ビジネスでもIP電話を使う業者が増えていますが、たまに何を言っているのかわからないためイライラします。特に、IP電話を使っている相手の方から「聞こえないんですけど!」とか言われると電話を切りたくなりますよね?

そこで、そのようなわけで、転送先をIP電話にするわけにもいかず、2つ目の携帯電話番号を入手するために、不本意ですが、待ち受け専用の携帯電話をもう1台入手することになりました。


2台目の携帯電話を安く保持するには?

そして、ソフトバンクのプリペイド携帯電話「シンプルスタイル」が、3,000円のプリペイドカードで420日間電話番号の維持が可能なため、1カ月215円で待ち受け専用の携帯電話が所持できるということが判明しました。

4,000円分チャージ付きで6,458円の301Zがリーズナブルで、コンパクトでバッテリーも長持ちして、2台目としては手がかからなそうなので、301Zを購入しました。ソフトバンクショップで購入すると、契約事務手数料3,000円が必要ですが、プリペイド4,000円から充当されるので、待ち受け専用としては関係のない話です。

Amazon等で購入すると、事務手数料はかかりませんが、別途3,000円分のプリペイドカードを購入する必要があるので、3,458円以下で新品が販売されていればソフトバンクショップよりも安いことになります。


スマホからガラケーにアドレス帳を移行するには?

前述の通り、待ち受け専用としては301Zは最高の機種なのですが、電話帳を301Zに移行するには、PCとはケーブル接続が取れず、vCardファイルを作成しmicroSD経由で301Zに移行するしかありませんでした。

しかし、icloudもしくはGoogleコンタクトからvCardファイルでエクスポートし、microSDに移動して済めば簡単だったのですが、そうは行きませんでした。

前置きが長くなりましたが、スマホ(iPhone)からガラケー(301Z)に電話帳を移行した手順を記述します。

まず、移行元データの作成です。

  1. iPhoneの電話帳はicloudには保存せず、SynctasticアプリでGoogleコンタクトに保存しています。
  2. Googleコンタクトから移行したい連絡先を選択し、Outlook CSV 形式でエクスポートします。
  3. エクスポートしたCSVファイルは、Excelで開くと電話番号の頭のゼロが消えてしまうので、いったんメモ帳で開きます。
  4. 「-」が「?」に変換されてしまっている等の文字化けを置換機能で修正します。(置換機能を利用するにはExcel上よりもメモ帳上の方が確実です。)
  5. 新規のExcelシートを開き、すべてのセルを選択し、表示形式を文字列に直しておきます。
  6. メモ帳で開いたCSVファイルを全範囲コピーし、文字列に直した新規のExcelシートに、「形式を選択して貼り付け」で書式なしでテキストのみ貼り付けます。

次に、301ZからmicroSDにバックアップしたvCardファイルをCSVに変換します。

  1. 301ZにmicroSDを挿入し、電話機能>電話帳バックアップ>保存を選択する。
  2. 301ZからmicroSDを取り出し、PCに変換アダプタ挿入します。
  3. 携帯アドレスデータCSV変換というソフトをダウンロード・解凍し、アプリケーションを開いて、microSDのvCardファイルを選択し、CSVに変換します。

最後に、移行元のExcelシートから301Z側のCSVファイルへの移行です。

  1. 301Z側のCSVファイルを開き、移行元のExcelシートから301Z側のCSVファイルに1列ずつコピペし保存します。
  2. 携帯アドレスデータCSV変換で301Z側のCSVファイルをvCardファイルに変換してmicroSDのvCardファイルがあった元の場所に保存します。
  3. 301ZにmicroSDを挿入し、電話機能>電話帳バックアップ>読み込みを選択して完成です。

手間がかかりますが、vCardファイルのみでの操作を諦めて、CSVで日常の操作を行うことがポイントです。